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【岩崎量示】第7回:写真との向き合い方。橋との距離。

【岩崎量示】第7回:写真との向き合い方。橋との距離。

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阿部
タウシュベツ川橋梁って、完成当時の写真も残ってるんですか?
岩崎
何枚かですね。工事中の記録写真みたいなものが数枚あるくらいです。

列車が走り始めてからは、駅があるわけでもないし、本当に線路の幅だけ切り開かれた森の中だから今のように展望もよくなかったので。熊もいる森の中なんて、よっぽどの人じゃないと写真を撮りには行かないですから。

阿部
そうですよね。今は全体的に丸みを帯びたフォルムですが、これは当時からの特徴なんですか?
岩崎
いや、もともとは角ばった形状をしていました。雨風で削れて、徐々に丸みを帯びてきた感じですね。
阿部
さすがに、今は橋の上に乗ることはできないんですよね?
岩崎
今はもう歩けないです。だけど、10年くらい前までは、上に登って釣りをしてる人なんかもいましたよ。
阿部
へぇー、釣り人が。
岩崎
もっと前は、橋の上を車で走れたそうです。
阿部
車も!
岩崎
まぁ、もともとは列車が走っていた橋なので、当たり前っていえば当たり前なんですけどね。今はもう、上に乗っているのはキツネくらいですね。
阿部
だけど、これって放置されていても完全に崩壊するってことはないですよね。場所ごとに崩れていくことになるというか。
岩崎
何もなければそうなんですけど、ちょっと大きい地震が来たらたぶん一発で…。
阿部
あぁ、そうか。
岩崎
この辺も、地震がないわけじゃないので。
阿部
だけど、12年間見つめてきて、地震っていう幕切れは寂しい気がしませんか?
岩崎
でも、ある日見たら更地になってたりしたら、それはそれで劇的だと思います。そういうふうに先行きがわからないというのが、撮ってる理由でもあるので。

 

 

阿部
岩崎さんは、この橋を撮るために写真を始めて、橋が崩れて、土地に還るまでを記録しようとしているわけじゃないですか。
岩崎
はい。
阿部
そのゴールは時間で割り切れるものじゃないと思うんですけど、もし自分が納得いく結末を撮り終えたら、この土地や写真からは離れますか?
岩崎
いやぁ、写真をやめると無職になっちゃうんでね(笑)。

 
一同:(笑)。
 

岩崎
好きだから写真を続けているってわけじゃないんですけど、嫌いだから辞めたいってことでもなくて。成り行きでやってる部分もありますけど、写真にまつわることは割と好きなんですよね。
阿部
「写真にまつわること」というのは?
岩崎
写真を撮ってるから、こういう場で話をする機会が得られたり、フェスのバックステージを覗けたりってこととかがあるじゃないですか。今、高校生のポートレートを150人分くらい撮るために、ずっと学校に通ってるんですけど、そういうのも写真がなかったら経験できないでしょうし。

だからもし、写真を撮らなくてもそういう経験ができるなら、写真じゃなくてもいいかなって気持ちはあります。

阿部
場所については、どうですか?
岩崎
場所はー、そうですね。橋があっても離れるかもしれないですね。「橋があるからここを離れられません」ってことは思っていなくて。ただ、離れたから二度と撮らないかっていうと、そういうことではなく。

たぶん、この橋が崩れていくスピードって、撮り始めた頃に思っていたよりよっぽど遅いようなので、今みたいに毎日行くこともないのかもなって思ったこともありますね。

阿部
なるほど。
岩崎
今、僕の写真がそれなりに評価されているのは、ほとんど100%が橋の魅力なので、そうでなくてもっとマイナーで誰も気に留めてないようなものを見つけて撮ることで、「見落としてたけど、実は素晴らしいものでした!」みたいなことができたらいいなって。

まだ、それに当たるものを見つけられていないのですけど、そういうのがあれば次のテーマに取り掛かるのもいいかなと思ってます。

 

 

—> 第8回:相手との関係性の中で生まれる〝自分にしか撮れない写真〟

 

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