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【岩崎量示】第9回:「青空の日に撮った写真がベストとは限らないんです」

【岩崎量示】第9回:「青空の日に撮った写真がベストとは限らないんです」

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じん
私、初めて岩崎さんの写真を見たのが東京の写真展だったんですけど、その時に写真から怨念めいたものを感じたんですよ。
岩崎
怨念ですか! 思い入れとかではなくて(笑)。
じん
なんか、執着なのかなって思ってたんです。橋に対する。
岩崎
あー、橋に対する。
じん
なんかその、「撮ってやろう!」って気持ちで写真を撮ってるのかなって思ってたんですよ。戦っているように見えたというか。
岩崎
それは、言われてみて初めて思いましたけど、鋭いかもしれないですね。

この写真集に載せている写真は、心穏やかにっていったら変ですけど、それなりに橋も知られるようになって、僕自身もいろんなところから声をかけてもらえるようになった中で撮ってるんです。だけど、その写真展をやった時は今と状況が違ったので、怨念めいたものがあったのかもしれません。

じん
なんて言うか、〝綺麗なだけじゃない部分〟がすごく出てたんですよ。写真によって橋から感じられるイメージが全然違ったんです。もしかしたら、嫌だって思いながら撮ってる日もあったのかなとか思って。
岩崎
確かに、あの写真展では、綺麗な青空でスカッとした写真っていうのは入れてなかったですね。

あとは、橋に対してっていうよりも、世間に対して「なんでこの橋に人が来ないんだろう」とか、「もっと知られてもいいはずなのに」って気持ちはありました。それは、ある意味、怨念めいてたかもしれないです。

 

 

じん
岩崎さんが思うタウシュベツ川橋梁の魅力って、景色だけの話じゃないですよね。橋が生まれてから、今に至るまでの物語も含めての魅力だっていう。
岩崎
はい、そうです。
じん
だけど、いわゆる観光的な魅力って、「この景色キレイ!」みたいなことだったりするじゃないですか。ストーリーよりも、見た目のわかりやすさというか。

例えば、タウシュベツ川橋梁が佇む背景に満天の星空が広がってるみたいな。そういうわかりやすさが、観光客にとっての魅力になりやすいと思うんですけど、岩崎さんの写真からは違う魅力を感じたんですよね。

岩崎
なるほどですね。この橋を綺麗な写真にまとめようという気持ちは最初からなかったんですよ。さっき言ったような、観光地的な綺麗な写真があってもいいけど、それだけではないよねっていうのは、ずっと言いたいなと思っていて。
じん
はい、はい。
岩崎
観光客の人って、天気が悪い日に来ると、ガッカリして帰っていったりするんですよ。でも、80年という時間の中では、雨の日もあれば曇りの日もあって、まぁ晴れてる日もありますってのが当たり前じゃないですか。

僕は、それを記録として撮影しているので、青空の日に撮った写真がベストとは限らないんです。曇りの日には、曇ってる日のよさがあるので。

じん
そうですよね。
岩崎
だから、取材とかで「いつがベストシーズンですか?」って聞かれると困っちゃうんですよね。そういう見方はしていないから。どの時期が一番とかではなく、トータルとしていいものだと僕は思っています。
阿部
テレビとか観光客の人が求めているのって、簡単に言ったら〝絶景〟みたいなことだと思うんです。だけど、岩崎さんが見せたいのは、そういうところじゃないですもんね。
岩崎
はい。僕の写真も、〝絶景特集〟みたいなところにポンと混ぜてもらうことがあるんですけど、そういうことじゃないんですよね。
じん
そう。だからこそ、岩崎さんの写真を見るのに、本というかたちはとてもいいなと思って。
阿部
絶景スポットとしての魅力がないわけではないけど、一枚の写真で表現できる魅力ではないですもんね。移りゆく橋の姿の記録ですから。
岩崎
そうですね。そういうストーリーを写真で伝えていきたいなと思っています。
阿部
もう少し長い付き合いになりそうですね。
岩崎
えぇ、もうしばらく付き合っていきます。乗りかかった船ですから(笑)。

 

 

文:阿部光平
写真:岩崎量示、澤田希望

 

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