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【ki-kiru】第5回:〝不特定多数の木〟ではなく、〝個々の木〟を相手にする

【ki-kiru】第5回:〝不特定多数の木〟ではなく、〝個々の木〟を相手にする

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阿部
会社を辞めて自分の工房を構えるにあたって、広尾町を選んだ理由は何だったんですか?
斗沢さん
帯広が地元なんで、その近郊がいいなと思ってたけど見つからなくて、縁があってこの建物を見つけた感じですね。もともとは農家さんの家で、その後は林業関係の人が使ってたみたいなんだけど、15年くらいは空き家になってて。それを改装して、工房にした感じですね。
阿部
改装もご自身で?
斗沢さん
水回りとかは大工さんにお願いしたけど、内装とか、できるところは全部自分でね。壁に漆喰を塗ったり、流しは刃物の研ぎ場にしたりとか。創業にあたって、資金も乏しかったんで。だけど、もともとは大樹町でやってたんですよ。
阿部
あぁ、そうなんですか。
斗沢さん
大樹町に『一秀』っていうお蕎麦屋さんがあって、店内にいろんな木工品が並べられてるんですよ。テーブルとかも手作りっぽくて、お店の人に聞いてみたらやっぱりそうで。そんな話をしてたら「木工に興味あるの?」みたいな話になって、「実はやる場所を探してるんです」って言ったら、木工同好会を紹介してくれたの。それが、昔の給食センター跡地を改装して作られた工房で、欲しいと思ってた道具とか大型の機械とかが全部そろってて。
阿部
スタートを切るには最高の場所ですね。
斗沢さん
そう。会員になれば全部使えるんだけど、実際に使ってるのはそのお蕎麦屋さんくらいで、けっこう自由に使わせてもらえる環境だったんですよ。そこでやり始めたのが最初ですね。

 

(工房のすぐ隣に、自然乾燥させている木材が並ぶ。その後ろには広大な畑が広がっている。)
 

斗沢さん
その工房の会員には林業関係者とか元大工とか、学校の先生だとか、いろんな人がいて、地域のことをいろいろと教えてくれるんですよ。どこにどんな木があって、どういう入手経路があるとか。あとは、「木を伐りに行くけど付き合わない?」とか。
阿部
ちょっと買い物に付き合ってみたいな気軽さで(笑)。
斗沢さん
そういうのがよくあるんですよ。木はチェーンソーで伐採するんだけど、それをどうやって車に積むかっていうと、トビっていう先の尖った道具を使って引っ張ったり、ガンタっていう道具でテコの要領で丸太を回したりして、そうするとあんなに重いものでも人力で乗っかるんですよ。もう泥だらけになって酷いんですけど。そういう経験をすると、「これ、生きていくためにやってるなー」って実感が芽生えてきて。
阿部
スケールの大きな話だなぁ。
斗沢さん
今はね、木材とか切り株の切り出しとかも、重機でガーッとやっちゃって一瞬なんだけど、昔は杣夫(そまふ)っていう職業の人たちがいて。
阿部
ソマフ? 木こりみたいな人たちですか?
斗沢さん
木こりっていうと、もっと山を管理するようなイメージがあると思うんだけど、杣夫っていうのは雇われて、割り当てられた場所の木を一生懸命伐る人なんですよ。

 
一同: へー!
 

斗沢さん
それをね、中学を卒業してからだから、15歳くらいからずーっとやってるおじさんとかがまだ生きてるんですよ。さすがに、現役ではないけど。

 
一同: へー!!!
 

斗沢さん
そういう人とも、工房の会員になったことで仲良くなって。すると、山のことだとか、木だとか、山林の周辺にある木の実や草だとか、山菜のことだとか色んなことを全部教えてくれるんですよね。
阿部
それは、めちゃくちゃ面白そうですね!
斗沢さん
そうなんですよね! もう林業とか、木工とかってよりも、もっと大きな木との関わり方に魅力を感じてきて。
阿部
はい、はい。

 

 

斗沢さん
しかも、原木から切り出すと、材料費もすごく安く抑えられるんですよ。極端に言ったら原木に値段はほとんどなくて、木材の価格って、それを切る人だとか運搬する人だとかの人件費なんです。板のように製品として売られてるものには、当然その分の工賃が上乗せされていて、すごく高い値段になってる。それを全部自分でやれば、その分のコストがカットできると。まあ、自分の時間もお金なんだけど、実際に現金が出ていかないってことは大きくて。

そして、何よりもね、「あそこに生えていた木でこれを作ったんだ」っていう、木のストーリーが見えているので、普通は使わないような部分も全部使いたくなるんです。

阿部
何というか、木材として〝不特定多数の木〟を相手にしてるっていうよりも、〝個々の木〟を相手にしてるみたいな感覚ですよね、きっと。
斗沢さん
そうなんですよね。

 

 

—> 第6回:〝所有者探し〟から始まる原木の入手手順

 
 

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